やすべえです。4月や5月といった新年度、新学期の時期は特にですが、「株式のトレーダーになりたいんです!何かアドバイスをください!」という真剣な熱い思いを受けることがあります。そんな株式トレーダーを目指す方に向けていつも紹介している本が3冊あります。2回シリーズで順にご紹介していきたいと思います!

まず最初に言っておかなければなりませんが、株式トレーダーとして基礎を学んで欲しいという思いからこの3冊を紹介しています。チャート分析などのテクニカル分析、タイミングを用いた手法などは、企業価値(バリュエーションとも言われます)を鑑みない投資で、一般的に使われている投資手法ではありますが、ここでは取り上げません。

さて、はじめましょう。
企業価値を鑑みている株式の投資は大きく分けて2つ、「バリュー株投資」というものと「グロース株投資」というのがあります。「バリュー投資」は、割安株投資と訳されることが多いですが、企業価値と株価を比べてお値打ちだと考えられている株式に投資することです。「グロース投資」は、成長株投資と訳されますが、一見バリュエーションは割高に見えるものの将来の成長を考えるとその株式に価値はあるとして投資することです。1冊目は「バリュー株投資」に関する名著です。

 

【1冊目】賢明なる投資家

米国において「投資家の父」と呼ばれ、バリュー投資理論の考案者であるベンジャミン・グラハムの「The Intelligent Investor」の翻訳本です。徹底的にバリュー投資を貫いているので、割安株とはなんぞや?といった普遍的な考え方を学ぶことができます。素晴らしい本ですが、今の流れの速い世の中では、バリュー投資だけで対応できるかというと難しいところもあるので、基礎を学んでいるという意識を持って読むと良いです。

また、この本は内容が豊富過ぎて、かなりのページ数になっており、読むのが大変です。しかし、本著は投資本のマスターピースとも言える本であり、株式トレーダーを目指す人に紹介するからには何が何でも読んで欲しい本です。何が何でも読んで欲しいので、2冊目に紹介しますが、フィッシャーという人の軽めの本を先に読んでもらって、この本も同じくらいの軽さかと思わせつつ、この本を読んで頂くという流れで紹介するときもあります。そんなページ数の多い「賢明なる投資家」ですが、読んで頂いた方の感想文を引用させていただくと、「この本を読むのに約3週間かかりました」、「本の内容および重さ自体も重厚なものでした」などというシニカルな感想がありました。(笑)

 

内容ですが、8章と20章が有名でウォーレン・バフェットが投資哲学の基礎となった章となっています。つまみ食いするならこの2章をオススメします。8章には、投資家と投機家の違いが書かれています。「投機家の最大の関心事は、株価の変動を予測してそれによって利益を得ることであり、投資家の最大の関心は、適切な証券を適切な価格で取得して保有することにある。」この表現、真理すぎて心にずしっと響きます。

10章も面白いです。「投資をする目的がおカネを儲けることなら、人にアドバイスを求めることはすなわち、どうすればおカネが儲かるかを問うことである。しかし世の中、これでは通用しない。事業家は事業運営におけるさまざまな問題についてプロに助言を求めるが、どうしたら儲かるかを教えてもらおうとは思っていない。」投資はある意味、不思議な世界であるように思えますが、「事業は人が働いて儲ける」のに対して、「投資はお金が働いて儲ける」ので、直感的に理解し難いこともあるのではないかと思いますので、不思議なれど理解できるような気もします。

教科書として真の投資家に愛されている良書ですので、何度読んでも味わい深い本です。私の短い要約で読んだ気になる方はいないでしょうから、ぜひお手にとってグレアムの世界を感じていただければと思います。「新・賢明なる投資家」という現代に合わせた注釈が付いているバージョンも出版されています。

次回は2冊目と3冊目を紹介します。