やすべえです。前回に引き続き、「株式のトレーダーになりたいんです!何かアドバイスをください!」という真剣な熱い思いを受けるときに、紹介している3冊の本について書いていきます。今回は第2回目ということで、残りの2冊を紹介したいと思います。

 

【2冊目】フィッシャーの「超」成長株投資

アメリカの大投資家、ウォーレン・バフェットの師であるフィリップ・A・フィッシャーが1958年に書き下ろし、以来読み継がれてきた名著「Common Stocks And Uncommon Profits」の翻訳です。この翻訳本は訳者が重要だと思うポイントが大きなフォントで書かれているなど、なかなかユニークです。翻訳も平易な言葉で書かれているので、読みやすさ重視です。読む際には、「成長株」と「流行っている、推奨されている高いバリュエーションの株」とは違う!と頭に刻み込んでから、一つ一つ彼の考え方を咀嚼していくと効果が上がります。

書いてある内容は一見、平凡というか理解しやすいものではあるのですが、なかなか実践するのに骨の折れることが多く書かれています。なにせ、「最高の株を選び出す」ためには15個もポイントがあり、「賢い投資家になる」ためには10個もdon’t (やってはいけないこと)があります。その上、25個のdoやdon’tは、単にやりなさい、やりなさんな、だけではなく、愚直に調査や分析を積み上げなくてはならないものですので、千里の道も一歩からと言いましょうか、一歩ずつの積み重ねの大切さも教えてくれます。

そして、成長株投資に限らない投資の教訓も教えてくれています。「昨日は上がった、今日は下がったなどという日々の株価の動きに過敏にならずに長期的な目線で忍耐力を持って投資を行う」、「成功した時よりも失敗した時の経験に対して多くの時間をかけて分析検証すべき」、といった心に刻んでおきたい言葉が随所にあります。読み返す度に自分の考えるべきこと、やるべきことを再確認、再発見させてくれます。

個人的な話ですが、私はどちらかというとバリュー投資タイプなので、この本を何度読んでも、なかなか著者の考え方や思いを受け入れたりすることが出来ませんでした。グロース株投資は周期的にブームのようなものが訪れて、その時には勝ちやすくなるのですが、ブームが過ぎると継続的に勝ちにくい印象があって、自分の投資スタイルにあまり馴染まないかなと思っていました。最近はグロース株投資の上手いファンドなどの運用方法を見て勉強していて、少しずつ気づきがあるような気もします。。。

 

【3冊目】投資で一番大切な20の教え

集大成の3冊目は新し目の本です。原著のタイトルは「The Most Important Thing: Uncommon Sense for Thoughtful Investor」となっていまして、翻訳本のタイトルよりも原著のタイトルの方が内容を的確に表現しているかもしれません。
これまでの2冊でバリュー株投資とグロース株投資について昔からある手法を学べたことで、この3冊目を味わって読むことができます。

この本の中で著者は、「割安感や成長性というものは、本当に割安だとか、本当に成長するという短絡的なものではなく、今日の本質的価値と明日の本質的価値のどちらかを重視することではないですか?」と述べるのですが、これまでの2冊を読んだことで「なるほど感」がグッときます。その上で本質的価値はどこにあるのか?と考えていくと、1冊目と2冊目の知識の土台にこの本が応用として乗ったことが明確に感じられます。

(以下、「逆張り」、「順張り」という言葉が頻発しますので、ここで語句説明しておきますと、「逆張り」とは大勢と反対のことを行うことで、売られ続けている株を買ったりすることを言います。他方、「順張り」は、大勢と同じように行動することを言います。)

著者であるハワード・マークスはオークツリー・キャピタルという会社の共同創設者で、逆張り投資家として有名なのですが、彼の得意な逆張りの極意や、なぜ逆張りが良いのかを優しく丁寧に教えてくれます。ただ、最近の相場に関する注意点として、逆張りをするのは一般的に危ないと言われています。順張り投資家の動きが強く、株価が行き過ぎて逆張り投資家の動きを飲み込んでしまうことが発生するからです。究極の順張りがバブルとなりますでしょうか。

また、「逆張り」というのは人と違った行動をするという意味で精神的に辛いものです。集団心理とも言えるでしょうか。行列を見たらその行列に並びたくなったりするときってありませんか?友達が手に入れた新商品を自分も手に入れたくなったりするときはありませんか?それらは投資の世界で言うと、いわゆる「順張り」というもので、行列に並んで手に入れたものが実はたいしたものではなかったり、時間が経てば並ばなくても買えるものであったりするわけですが、みんなと一緒の行動をしたいという気持ちを振り解くことは辛さが伴います。

この本は「逆張り」の良さを主張するとともに、「逆張り」する辛さも解きほぐしてくれます。

「逆張り」に関する彼の言葉をいくつか引用させていただきます。「誰もが高リスクと考えている資産の価格はたいてい、不人気のせいで全く危険ではない水準まで低下する。」「七十年代のニフティ・フィフティ投資家の前例が示すように、誰もがリスクがないと信じている資産の価格はだいたい、極めて危険な水準までつり上げられる。」これらは、順張り投資家のリスクテイクのあまのじゃくさを説明しています。あなたはどのような投資スタイルで行きたいですか?そんな自分への問いかけに対する答えが出せる本ではないでしょうか?

上記以外にも様々な「賢い投資家になるための隠れた常識」を教えてくれる本です。ぜひ、読んで見てください!

少し長くなりましたが、株式トレーダーを目指す方向けオススメ3冊でした。