やすべえです。金融リテラシーに関する本の紹介、第6回は『金融リテラシーを身に付ける はじめてのグローバル金融市場論』という本です。中・上級者向け、勉強になる本です。

著者は藤田勉さん。藤田さんは私の2社目の会社でストラテジストをなさっていてお世話になりました。真剣なリサーチをしながらも、たまに冗談を取り入れてお話をされる気さくな方という印象です。また、本著は竹中平蔵さんが監修しています。

また、この本は2009年に発刊されましたが、当時の慶應義塾大学「グローバル金融市場論」の講義の指定教科書となっていたようですので、大学生向けとも言えるかと思います。

 

目次を見てみますと、第一章「なぜ、今、グローバル金融市場論か?」、第二章「米国金融危機の歴史的な位置付け」、第三章「地球規模のバブル経済」、第四章「日米バブルとその崩壊の比較」、第五章「資本市場と企業経営」、第六章「世界に通用する金融・資本市場の必要性」となっています。

全編を通じた著者のメッセージとして、「常識を疑え」というものがあります。第一章で10の設問が出てくるのですが、一見常識に思える10の設問なのですが、解答は全て×というものです。何となくみんなが思っているからと判断すること無く、データなど事実を確認して答えましょう、というものです。第二章以降にその設問と解答を説明していくという流れです。ということで、データが豊富に紹介されていて、データを知るだけでも勉強になりますし、常識を疑うという訓練の面でも勉強になります。

資産運用に関するもので、第六章に「お金に働いてもらう」という小項目があり、日本を含む先進国5カ国の個人金融資産の比較の表が出ています。ダントツの預貯金持ちが日本で53.1パーセント、次いでドイツが35.0パーセント、フランス31.8パーセント、イギリス25.4パーセント、アメリカが13.5パーセントとなっています。

また、アメリカの家計部門の配当や利息からの収入、いわゆる不労所得ですが、その純金融収支が名目GDPに占める比率は、2008年のデータですが13パーセントくらいの割合になっていて、日本の1.3パーセント(2007年のデータ)と比べて、差が歴然としていて、うーん、日本はモノづくりには力を入れてきたかもしれないけれど、お金の教育には力を入れてこなかったよなぁと、しみじみ思ってしまいました。(といっても、日本のモノづくりが今世界のトップだとか、そういうわけでもありません。)