やすべえです。本日は、米国のマーケットの歴史をおさらいしてみたいと思います。様々な国のマーケットの中で、時価総額ナンバーワンが米国です!

S&P500の1984年から2016年までの推移

S&P500の1984年から2016年までの推移

(1984年からのS&P500の推移)
Yahoo! Finance(http://finance.yahoo.com/q?s=^gspc)より筆者作成

まずはパッと見たところですが、日経平均株価のチャート(前回の投稿をご参照ください!)と比べると右肩上がりとなっており、大きく違っています。前回と同じく、1984年からのチャートですが、日経平均が2倍近くになった一方、S&P500はなんと10倍以上になっています!昔からアメリカ株をやっていた人はなんやかんやで儲かっている人が多いのです。

さて、縮尺のせいで小さく見えてしまいますが、1987年にブラックマンデーと言われる暴落がありました。ドル安を食い止めるために金利を上げるなどといった背景もありましたが、当時大きく成長していたデリバティブ(ポートフォリオインシュアランス)の影響で売りが売りを呼ぶ展開となったことも下げが大きくなった要因であると言われています。この時、日本はブラックマンデーの日こそ大きく下がりましたが、翌日に大きく戻し、1990年のバブル絶頂期まで上昇を続けました。

1995年から2000年にかけて大きく上昇していますが、この時がITバブルと言われる時期です。社名に「ドットコム」とついているだけで、期待感から株価が短期間に何倍にもなるような相場となりました。2000年の12月という何とも微妙な時期に発行されたNasdaq100(Nasdaq市場の上位100社)に関する本を読み直してみると、紹介されている100社のうち、今や10社が倒産で無くなっていて、15社くらいがゾンビ化(会社として存続しているものの、株価は超低空飛行の状態)か、ゾンビ化からの買収で無くなっています。ゾンビ化からの買収を含め、買収された企業は100社中40社以上もあり、アメリカのマーケットのダイナミズムを感じさせます。

少し横道にそれてしまいますが、2000年のNasdaq100の分析をしてみて思ったことを少し書いてみます。
生き残っている企業は「人」が中心になっている企業ばかりです。ソフトウェア企業が多いです。バイオテック企業は人が中心でもあるでしょうが、これから発展していく業界で先行者利得が得られる企業が多かったように思われます。バイオテック企業10社のうち2社は今でもスター企業であるアムジェン(AMGN)、バイオジェン(BGEN)で、残りの8社はアストラゼネカやノバルティス、メルク、サノフィといった巨大製薬会社に買収(ほとんどが高株価で買収)されています。
逆に潰れてしまった企業はITには関係あるもののケーブル網の敷設などモノを作っていた企業が多いです。一方、ITと関係のないローテク企業はしぶとく粛々と成長している企業が目立ちます。
また、今の株価がITバブルの頂点から計測して10倍以上になっている株はさすがに少ないですが、アップル(AAPL)、スターバックス(SBUX)、アマゾン(AMZN)などがありました。マイクロソフト(MSFT)、インテル(INTC)はすでに評価がかなり高く、10倍以上とまではいきませんでした。イーベイ(EBAY)、ファイサーブ(FISV)、アドビ(ADBE)、インテュイット(INTU)、エレクトロニックアーツ(ERTS)なども大きく成長していることがわかります。

次回に続きます。