やすべえです。日本株の銘柄コードの話、毎週の更新も4回目を迎えまして、今回は3000番台です。まずは、「千の位」で分類した図をおさらいしておきましょう!「繊維製品」、「小売業」、「パルプ・紙」となっています。

銘柄コードと業種の対照表(3000番台ハイライト)

次に、「百の位」で分類した図をお見せします。「繊維製品」が「百の位」のレベルで見るとずらっと並んでいますが、そこそこ大きい銘柄(時価総額500億円以上)は10銘柄くらいしかありません。銘柄コードを割り当てた当初は多くの番号帯(3000番台から3500番台)を用いていましたが、繊維産業は産業の規模がどんどん縮小していきましたので、それぞれの「百の位」の後半部分はほぼ使うことなく、「小売業」、「不動産業」、「REIT(Real Estate Investment Trust、不動産投資信託)」といった銘柄に割り当てられてきました。

銘柄コードと業種の対照表(3000番台)

「百の位」を見ていきますが、「繊維製品」は100番単位で見ていくと細かすぎるので、3000番台から3500番台までの「繊維製品」の銘柄をまとめて見ていきます。「グンゼ(3002)」、「東洋紡(3101)」、「帝人(3401)」、「東レ(3402)」、「セーレン(3569)」、「ワコールHD(3591)」、「ホギメディ(3593)」などが挙げられます。あえて言うならば3100番台は「天然繊維」を主に扱っていた(いる)企業が多く、3400番台は「化学繊維」を主に扱っていた(いる)企業が多いです。古くからある企業が多いですが、革新的な研究からオンリーワンの製品を作っている企業が生き残っているイメージがあります。

ここで、前回、「日清」の銘柄として、「日清紡HD(3105)」を挙げましたが、実は「電気機器」に分類されています。多角化が進み、主要な売り上げが繊維製品から電気機器に移行したことが理由です。この他にも、紡績会社であった「ダイワボHD(3107)」は「卸売業」へ、「日東紡(3110)」は「ガラス土石製品」へ、「トヨタ紡織(3116)」は「輸送用機器」へ、というようにそれぞれ移行しています。

また3400番台に出てくる「クラレ(3405)」、「旭化成(3407)」は「化学」に分類されていますが、繊維からはじまった会社となります。天然繊維の時代から、合成繊維の時代になり、繊維製品の企業は、産業が小さくなっていく中で、生き残るために多角化や業態の変化を続けていきました

 

さて、3000番台、3100番台、3300番台、3500番台に小売業が入っています。「小売業」は、古くからある銘柄も勿論ありますが、次々と上場しているので銘柄数が増えています。かつて「小売業」は8000番台に入ることが多かったのですが、銘柄コードの空きはどんどん少なくなってきたことで、この3000番台や2000番台、7000番台、9000番台と様々な銘柄コードが使われています。初回、銘柄コードの千の位や百の位を見ればある程度業種がわかるという利点を申し上げましたが、「小売業」については例外となりますでしょうか。

大きな時価総額を持つ「小売業」の銘柄としては、何と言っても「7&I-HD(3382)」がここに入ってきます。7&Iはセブンイレブンとイトーヨーカドーが合併して上場した銘柄で、かつての両社の銘柄コードは両銘柄とも「小売業」によくあった8000番台で「旧セブンイレブン(8183)」と「旧イトーヨーカドー(8264)」でした。この7&I-HD、時価総額は3兆円を超えます。

他に「マツモトキヨシ(3088)」、「ウエルシアHD(3141)」、「コスモス薬品(3349)」、「ツルハHD(3391)」といったドラッグストア銘柄や、ZOZOTOWNで急成長している「スタートトゥ(3092)」などもこちらの番号帯に割り当てられています。

 

3600番台、3700番台に入ってくる「情報・通信業」銘柄も、新しく上場した銘柄群です。かつての「情報・通信業」銘柄は9000番台に入ることが通例でした。

「ネクソン(3659)」、「ガンホー(3765)」といったオンラインゲーム関連や、イーコマースの決済などで強みを持つ「GMOPG(3769)」、3900番台になりますが、「LINE(3938)」なども新しい「情報・通信業」銘柄として、大きな時価総額を持っている銘柄です。

 

最後に3800番台と3900番台の「パルプ・紙」です。この産業は古くからの企業が多くあります。合併や買収などの話で少し揉めたり、カジノでお金をつぎ込んだりと、いくつかの問題はあったのでしょうが、紙という価格の安い商品で物流コストがかかる産業ということで、輸出入の脅威が比較的緩く、国内の産業として比較的安泰(いわゆるブルーオーシャン的な状態)が続いていると言えますでしょうか。

銘柄としては、「王子HD(3861)」、「日本紙(3863)」、「北越紀州(3865)」、「大王紙(3880)」が4強になっています。ティッシュペーパーのブランドで言うと、王子HDは「ネピア」、日本紙は「クリネックス」と「スコッティ」、大王紙は「エリエール」となります。ニッチなところでは、段ボールが強い「レンゴー(3941)」という銘柄もあります。

 

3000番台は空き番号が多かったせいで、新しい銘柄が続々と入ってきており、傾向がつかみにくいところでした。3200番台から3400番台に「REIT」がかなりの銘柄が入っているのですが、こちらもかつて使っていた8000番台の空き番号が枯渇してきて、3000番台に移ってきたものです。こちらの「REIT」は8000番台の回で説明していきたいと思います。次回は4000番台です。

 

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