プライベートバンキングテキスト上巻第3章「不動産」を読んでいきます。第3章は59ページと短い章です。第1章よりも短いですが、この章からは第2単位の65問のうちの29問が出題されます。(次の章の「税金」の36問と合わせて第2単位65問となります。)目次の大きな所を見ていくと「不動産の3つの側面」、「不動産取引の留意点と不動産投資」、「不動産の関連税制」、「不動産の法令制限」、「不動産の相続・贈与」、「海外不動産」、「不動産を取り巻く経済環境」となっています。ページ数が少ない割には盛りだくさんな目次です。

全体の資産の中で不動産をどう位置づけるのか?ということはプライベートバンカーの腕の見せ所ですが、実際の不動産の取引は、取引の種類に応じてになりますが、適切な外部の専門家の力を借りることが必要になってきます。プライベートバンカーとしては、専門家のネットワークが重要になってきますし、専門家のアドバイスについていけるだけの知識ベースが重要になってきます。そんなことを考えながら読み進めていきます。

 

最初の項目は「不動産の3つの側面」です。自ら利用、投資用、相続財産の3つの側面となります。全ての側面を満たす不動産はなかなか無いと思われるので、難しいところです。自ら利用する不動産には管理費や維持費が多少高くなろうとも利便性の高い施設や機能が入っていてほしいと思いますし、逆に投資用であれば、エレベーターが無くても大丈夫で利回りが出来るだけ高くなってくれれば機能はミニマムで、なんていう思いも芽生えてきます。相続財産はアパート建設などがよく言われる話ですが、テキストにコラムの形で2例紹介しています。土地によっては投資額に対して相続税評価額がかなり圧縮されるケースもあるので、テクニカルな話ですがうまく使うと効果が高いものです。

それぞれの側面の不動産に対して、強い不動産業者があるはずですので、そういったネットワークと業者の選択能力を持つことがプライベートバンカーには必要と言えそうです。

 

次の項目は、「不動産取引の留意点と不動産投資」です。色々な取引の形態がありますし、それぞれ留意点がかなりあります。購入時だったり、売却時だったり、賃貸や建物の管理といった様々な取引をする際のアドバイザーとして、DO(すべきこと)とDONT(してはならないこと)を含め、ポイントをしっかりと伝えられることが大事なことだと思います。私個人としても、不動産を手に入れるまでにこの章を読んでおけばもう少し良い取引が出来たのではないか思うところもありました。

私の専門分野の上場株式の世界ですと、日々値段は変わるものの、取引所で買いたい値段と売りたい値段を常に見ることができます。また、1年前や5年前といった過去の株価がいくらだったということを遡って調べることも簡単です。しかし、不動産の世界ですと、そもそも取引所というものがありませんので、自分で調べ続けるか、不動産業者に教えてもらうことになりますが、取引をしたい不動産業者は都合の良いことを言いがちでは無いでしょうか?伍して交渉するために知識を付けること、丸腰で対峙しないようにすることが必要になってくるでしょう。

 

その次の項目、「不動産の関連税制」、「不動産の法令制限」も、留意点、そして知っておくべきことが満載です。まず「税制」ですが、取得時には登録免許税や不動産取得税がかかってきます。国税庁のホームページで確認出来ます。加えて、書類に貼付する印紙税や建物にかかる消費税があります。そして、保有していると課せられる固定資産税と都市計画税は市町村税です。各市町村のホームページで確認出来ます。次に「法令」ですが、不動産業者を規制する宅地建物取引業法ですとか、土地の利用に係る都市計画法や国土利用計画法、権利に関する区分所有法や借地借家法など、様々な法令があるので必要な時に参照できるように大まかにでも網羅しておくべきでしょう。

次回に続きます。