プライベートバンキングテキスト上巻第2章「WM(ウェルスマネジメント)」を読んでいきます。

第2章は104ページと第1章よりも短いですが、この章から3つの試験科目の中の第1単位の64問全てが出題されます。まず、目次の大きな所を見ていくと「基本概念」、「投資政策書」、「商品概要およびアセットアロケーション」、「ファミリーミッション・ステートメント(FMS)」、「運用目標(一世代か多世代資産保全か)」、「事業承継」、「相続・贈与等による財産移転」となっています。

「基本概念」では、WM(ウェルスマネジメント)する際の大事なポイントが散りばめられています。財的資本(ファイナンシャルキャピタル)ばかりが重視されがちな中で、人的な資本や知的な資本、いわゆるノンファイナンシャルキャピタルをしっかりとバランスよく観ることが大事だとあります。

とは言え、ファイナンシャルなことは大事です。例えば、日本は所得税や法人税も高いですが、相続税も高いことから、タックスマネジメントが重要です。そして、お客様ごとのリスク許容度というものをどう捉えてどう戦略を作っていくかというのもやっぱり重要なのです。リスク許容度というものは、各人で全然違うものですし、成功体験や失敗の経験を経ても変化していくものであります。私自身のリスク許容度は、長年トレーダーをやっていて、経験がすごいあって、射倖的なのではと思われたりしますが、実際のリスク許容度は低かったりします。

また、リスク許容度の高い低いに限らない話ですが、投資というのは戦略立案と実行で変わってしまうことが多く、成長株でじっくり投資しなければいけないと戦略を立てながらも、実際は配当の高い株などでインカムゲインを狙ってしまうなど、乖離が出がちなものだと思います。マーケットの環境は時期によって変わってきますので、自分の投資の軸というものを持つのは大事ですが、ぶれずにやり続けることが必ずしも正しくないわけで、変えるべきものは変える、変えるべきでないものは変えない姿勢が求められます。

 

戦略立案と実行という話に関連しますと、こんなこともあります。買う方に限らず、売る方も金融商品を売る立場からの理想と現実のギャップというのがあって、例えば窓販などだと顧客の属性を簡単にチェックして売りっぱなしということが多いでしょうし、特定のセールスマンが付いているとしても、窓販とほぼ同じか、セールスマンが売りたい商品をひたすらに売りこんでくることもあるでしょう。親身なセールスマンでも、毎年の収支や、現状の資産と負債、リスクが取りたいか否かといった簡単な質問票で商品のアロケーションを決めて終わりということが多いと思います。それだったらインターネットでそういった質問に何問か答えていくだけで商品のアロケーションが出てくるフィンテックのツールと変わらないわけで、戦略立案と実行がチグハグになってしまうのも理解できてしまいます。

ウェルスマネジメントというのはもっと大きな枠組みで考えてくれるものだと信じます。このまま生活していると老後に困るとか、このまま何も策を練らないと相続税の支払いで困るとか、事業をしている場合は何十年単位で後継の問題を解決していくとか、そういうアドバイスが出来ることが大事ですよね。

また、ウェルスというお金持ちに限らず、万人がそういったことを学べたり、アドバイスをもらえたりする環境ができて欲しいですし、そういう世の中にすべく行動していきたいなと思っています。

次回に続きます。