プライベートバンキングテキスト上巻引き続き、第2章WM(ウェルスマネジメント)の「基本概念」を読んでいます。

万人が学ぶべき、というか万人が学んで欲しいと思っていることの一つにキャッシュフロー表(キャッシュフロー計算書)というのがありますが、それについてもこの項目で書かれています。FP(ファイナンシャルプランナー)の世界ですと、これが全てみたいな所もあるかもしれませんが、こちらPBでは、個人のバランスシートを作る意義や、個人のキャッシュフロー表を作る意義が書かれています。

バランスシートを作ってみるのは結構大変ですが、左側の資産の欄に現預金や金融商品や不動産などの価値を書いていって、右側の負債の欄にローンなどの借入金や未払い税金を書いていきます。加えて、株の売却益に対する所得税とか、将来払うことになるかもしれない未払いの相続税も負債の欄に入れることによって負債の合計を出していきます。資産の合計から負債の合計を引き算したものが純資産となります。

そして、キャッシュフロー表はご存知の方も多いでしょうか、左から右へ、現在から未来へ並んでいて、上段に家族年齢があって、中段から下段にかけて収入や支出、預貯金の残高などが書き込まれているものです。最近では、インターネットでエクセルの表などもダウンロードできるほどポピュラーなものになってきています。

このバランスシートやキャッシュフロー表の中でマイナスの数字など問題があると、放っておくと取り返しのつかないことになるので早く治しなさいということになります。私は、健康診断や人間ドックは1年に1回くらいやっているのですから、こういったバランスシート、キャッシュフロー表のチェック同様に1年に1回くらいはした方が良いと言っています。

 

次の項目は「投資政策書」です。PB(プライベートバンキング)の世界で最も重要なものがこの「投資政策書」になってくると思います。なんせ、プライベートバンカーの定義が「富裕層(マス富裕層を含む)のために、金融資産のみならず、事業再構築・承継を含めた生涯あるいは複数世代にわたる包括的・総合的な戦略をベースに投資政策書を立案し、その実行を助けるとともに長年にわたってモニタリングを続ける専門家」となっていますので、「投資政策書」は重要です!

「投資政策書」の役割として、4つ紹介してあるのですが、こういうのを決めておくのは本当に大事だなと思います。4つとは、「目標の設定」、「資産配分方針の決定」、「運用管理手続きの確立」、「コミュニケーション手続きの確立」で、いわゆるPDCA(Plan, Do, Check, Act)のようなものを決めておくと良いですよということです。中身をしっかりと決めるにはやはりPBだったり、金融に強い専門家の力が必要になってくるわけですね。

少し横道に逸れますが、私自身、トレーダーとしても、どのように取引すべきかというもの、心構えといっても良いでしょうか、そのようなものを確立させていました。例えば、ロングしている時は上がって欲しいという願望が生じてしまいがちなので、「買値を一旦忘れて、今取引するなら買いたい売りたいのどちらなのかを定期的に考える」とか、取引する時にシナリオを立ててそのシナリオにならないと塩漬けになる可能性が高いので、「タイムリミットを設けて時間切れになったら即反対売買する」とか、「自信のない時は3回に分けて買う、売る」といった自分なりの「投資政策書」のようなものを作っていました。

普通の投資家でも、PBをするような投資家でも、「投資政策書」のようなポリシーを持っていると、ブレにくいですし、下手を打つ可能性が減るでしょう!

 

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