リスクを取らないリスクやすべえです。今日は「リスクを取らないリスク」という本のご紹介です。明日から9月、夏休みも終わり、宿題の読書感想文を・・・というわけではないのですが、前回までの「レッツ資産運用」シリーズで「リスク」について色々と書いてきましたので、関連する書籍を紹介してみようと思います。

この本の著者は堀古英司さんという方です。長年ウォール街で戦ってきた方で、為替ディーラーを経てヘッジファンドマネジャーをされています。モーニングサテライトなどのテレビ番組にもよく出演されていらっしゃるのでご存知の方も多いかと思いますが、物事の切り口を的確に捉え、ある程度の単純化を行なってわかりやすく議論を展開される印象があります。

さて、この「リスクを取らないリスク」は2014年9月に発売された本で、新しい本ではありません。発売当時に読んだ時、まさに「リスクを取らないリスク」についてわかりやすく書いてあり、一刀両断に意見や対処法を述べていたので、読了後、半ば興奮しながら『「リスクを取らないリスク」を読まないリスク』を知り合いや仲間に力説してしまったことを思い出します。(笑)

 

こういった金融や経済に関する本は何年か経って読み直すと興味深いことに気づくことがしばしばあります。①数年前には常識とも思われた事で(例えば、少しバブっている時に「不動産価格はまだまだ上がる!」といったような事でしょうか)声高に主張されていたものが、数年後読み返してみるとちょっと違うな(融資引き締めでバブルが崩壊していたり・・・)と思ったりします。逆に、②数年前にはちょっと先進的で違うかなと思われた事が、数年後読み返してみると至極当たり前な事であったりします。

「リスクを取らないリスク」はそのどちらでも無い感じで、③数年前に読んでも、その数年後に読んでも、確からしく、普遍的らしいと思えます。リーマンショックなど時事的なネタがふんだんに入っているのですが、普遍的な議論が行われているのです。スゴいです!

 

内容は、目次の紹介程度になりますが、1章でリスクに関する3つのルールを説明することから始まり、2章から、リスクの担い手がいないとどうなるのか、リスクを取らないリスクの例を説明し、4章からは今後想定されるリスクとして、日本にさらなる資本主義化、広がる格差、進む円安、年金カット、などが議論されていきます。終盤にはリスクを取る前に考えるべき事、「リスクを取らないリスク」への対策が書かれています。

この本で私が一番グッときたところは、人間の2つの前提というものです。ひとつは「人間は弱いもの」もうひとつは「人間はリスクを回避したがるもの」というシンプルなものです。リスクを取るべきタイミング、リスクを外すべきタイミングというのは中々わかりにくいものですが、こういった原則から見えてくるものがあります。また、そんな2つの前提の中で、どうやって経済を成長させていくかと人間が考え出したものが「資本主義」である、という一連の流れになっています。格差の問題など副作用を産んでしまうものの、経済成長の仕組みとして優秀な「資本主義」をどのように肯定化するのか、慎重かつ大胆に議論されています。

本棚を眺めていたら再読してみたい本がどんどん出てきました。また、面白い本を紹介してみようと思います。