やすべえです。今日から数回、株を買うタイミングについて書いていきたいと思います。買うタイミングがあれば、売るタイミングもあるわけですが、そもそも、株を買ったり売ったりというのは手数料がかかりますので、ずっと持ち続けておくべきだという考えもあります。ここではそういった「べき論」はいったん横に置いておいて、シンプルに過去の株価の動きを分析してみて、何か季節性やアノマリーという経験則、癖のようなものがあるのかを見ていきます。

株の格言でよく言われるものに「Sell in May, and go away.」というのがあります。日本語に訳すと、「5月に売れ、そして離れろ。」という意味です。

「本当に5月に売った方が良いのか?」というのを検証してみたいと思います。アメリカのヤフーファイナンス(http://finance.yahoo.com)は、過去データが充実していまして、日本で代表的な株式指数である日経平均株価は1984年から、アメリカを代表する指数であるS&P500指数は1950年からデータが取れます。統一性をもたせるために1984年から2015年までの32年間で日米の指数値で毎月の最初の営業日に買って、次の月の最初の営業日に売った時に月ごとのパフォーマンスがどうなるかを見てみました。数字はパーセントです。例えば、日経平均の1984年から2015年までの32年間の1月の平均パフォーマンスは表の左上の数字になりますが、0.959パーセントということになります。

日経平均株価の場合は綺麗に5月から9月までのパフォーマンスがマイナスとなりました。S&P500指数の場合は6月はプラスですが、6月を除く5月から8月まではマイナスとなりました。どうやら、この格言はなかなか当たっているようです。「夏枯れ相場」などという言葉もありますが、データ上はやはりその通りと言って差し支え無さそうです。

さて、「Sell in May, and go away.」という格言には、実は続きがありまして、「Don’t come back until St. Leger’s day.」となっています。日本語の訳すと、「セントレジャーズデイまでは帰ってくるな。」という意味です。

セントレジャーズデイというのは9月半ばを意味しているのですが、やはり32年間のデータでは9月、または10月からのパフォーマンスが良好になっていますので、この格言通りになっていると言えそうです。

今年、来年と、このようになると決まったわけでは無いですが、投資の世界ではこういった毎年の傾向をアノマリーと言って重視することがあります。いろいろなアノマリーがありますが、知っておいて損は無いことが多いので、折を見て紹介していこうと思います。

株を買うタイミングは難しいものでありますが、次回、もう少し細かく見ていこうと思います。