やすべえです。日本のマーケットの歴史のおさらいの続きです。前回は、「失われた10年」の後、2000年4月に225銘柄のうち30銘柄が入れ替えになるという「事件」のところまでやりました。
(1984年からの日経平均株価の推移)
Yahoo! Finance(http://finance.yahoo.com/quote/%5EN225/history?p=%5EN225)より筆者作成
その後の大きな出来事として、小泉改革というものがありました。2005年8月、郵政民営化の法案が否決されことで衆議院が解散され総選挙となり、自民党が圧勝しました。杉村太蔵氏が比例代表の下位で立候補していて当選したことを覚えていらっしゃいますでしょうか?横道にそれましたが、自民党が圧勝したことで日本は国内外の投資家に求められていた改革モードとなり、政権が安定したことも後押しし、マーケットは大きく上昇しました。解散の原因となった郵政民営化は紆余曲折を経て、2015年11月に日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社が上場しました。
歴史のおさらいの話に戻しますと、リーマンブラザーズが倒産したのは2008年9月でした。そのちょうど1年前くらいからサブプライム住宅ローンに問題が出始めていて、マーケットは下がり始めていましたが、リーマンブラザーズの倒産でマーケットは連日の暴落となりました。このあたりのストーリーはこの後に書きます「米国のマーケットのおさらい」で少し掘り下げてみようと思います。
2011年3月11日、東日本大震災がありました。午後2時46分に地震が起きましたので、マーケットは開いており大変な値動きでした。長周期振動や相次ぐ余震のせいでトレーディング用のディスプレイは大引けである3時まで揺れ続けていました。その後は、東京電力の福島第一原発が事故を起こしたことで、原子炉の状態が報道される度にマーケットが大きく動くなど、波乱の状態が続きました。日本の国力が震災や原発の事故によって弱くなったことで円安に動きそうなものですが、一転、円高になりました。レパトリエーションという海外にある資金を本国に戻す動きが出たことによって、海外通貨を売って円を買う動きが増えて、円高になったということです。1ドル=76円25銭という史上最高値をつけました。実は阪神大震災の時もこのレパトリエーションの動きによって円高になりました。
そして、2012年末からのアベノミクス相場へと続いていきます。それまでは「六重苦(円高、高い法人税率、厳しい労働規制、環境制約、電力制約、貿易自由化の遅れ)」などと言われていた世の中を「三本の矢(大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長政策)」を掲げて経済成長を推し進めていくということですが、どうなっていきますでしょうか?カギは六重苦の行方と考えています。
株のマーケットのことばかり書いてしまいましたが、日本の国債、Japan Government Bondを略してJGBと言いますが、そのJGBの推移は1990年バブルを天井として金利が下がり続けています。金利についてはまた機会を見つけて書いてみたいと思います。
(1987年からの日本国債10年の推移、パーセント)
国債金利情報:財務省(https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/interest_rate/)より筆者作成