やすべえです。日本株の銘柄コードの話ですが、9話目に入りました。7000番台、「輸送用機器」、「精密機器」、「その他製品」です。まずは、「千の位」で分類した図をおさらいしておきましょう!ここまで読み進めていただいた方は日本株の銘柄コードの3分の2についてすでに学んでいることになっています。素晴らしい!

銘柄コードと業種の対照表(7000番台ハイライト)

「百の位」の分類は、本来は「輸送用機器」、「精密機器」、「その他製品」に充てられていた番号群でしたが、7100番台、7400番台から7600番台には、かつて空き番号が多かったので、現在は様々な業種が入っています。特に最近の7100番台は、昔であれば8000番台に入るような金融系の銘柄が上場しており、ニューウェーブです。

銘柄コードと業種の対照表(7000番台)

7000番台は、造船と重機械となっています。「三井造(7003)」、「日立造(7004)」、「三菱重(7011)」、「川重(7012)」、「IHI(7013)」などが挙げられます。航空機製造、造船、鉄道車両の製造、プラント製造、防衛関連などの分野に分かれます。造船業界は、景気の波、受発注の波、新規参入によるコスト競争が歴史的に厳しかった一方で、航空機製造は比較的安定しているイメージがあります。また、防衛関連は国による政策で保護されていたり、鉄道車両の製造は国レベルのトップ外交で海外勢が受注していたりと、分野ごとにビジネスのやり方や進み方が違うという、入り込めば興味深そうな世界です。

 

7200番台と7300番台は輸送用機器、つまり自動車を中心としたビジネスを行う企業群が入っています。初回に紹介した「トヨタ自動車」が入るのもこの番号群です。「完成車メーカー」として、「日産自(7201)」、販売台数世界首位か2位の「トヨタ(7203)」、「三菱自(7211)」、「マツダ(7261)」、「ホンダ(7267)」、「スズキ(7269)」、「SUBARU(7270)」、と言った企業が挙げられます。また、トラックに強い企業として、「いすゞ(7202)」、「日野自(7205)」があります。

自動車産業は裾野が広い産業ですが、「完成車メーカー」に部品を供給する「部品メーカー」も大企業が沢山あります。トヨタ系部品の御三家と言われる「豊田織機(6201)」、「デンソー(6902)」、「アイシン精(7259)」は売り上げで言うと「兆単位」で、従業員の数もデンソーで15万人を超えるなど、大変に大きい企業です。この番号帯に入る部品メーカーとしては、「トピー(7231)」、「NOK(7240)」、「KYB(7242)」、「ケーヒン(7251)」、「ショーワ(7274)」、「小糸製(7276)」、「豊田合(7282)」、「TSテック(7313)」など本当にたくさんの企業があります。完成車として世に出ていないので、企業の知名度は低いですが、こういった企業の貢献もあり完成車が動いています。実は、これらの企業の一つに「タカタ」という企業がありました。エアバッグのリコールは有名な話ですね。

「部品メーカー」も部品のための部品を他の企業に頼っていたりしますので、裾野は本当に広く、サプライチェーンマネジメントと言いますが、在庫と物流を調整する力が昨今重要視されています

 

7700番台は「精密機器」です。最近はどんな企業も精密なものを作りますので、「精密機器」という括り方自体に無理があるのかもしれませんが、長年「精密機器」を製造してきたメーカーが入っています。精密機器の代名詞ともいえる「カメラメーカー」である、「ニコン(7731)」、「オリンパス(7733)」、「キヤノン(7751)」、「リコー(7752)」や、「時計メーカー」である「シチズン(7762)」などが挙げられます。

この他には、分析機器や計測機器の大手である「島津製(7701)」、半導体製造装置を手掛ける「スクリン(7735)」、メガネレンズ、ハードディスクに使うガラスディスクなど精密なガラスのビジネスを行う「HOYA(7741)」などが大きな企業として挙げられます。

 

7800番台と7900番台は「その他製品」です。オフィシャルに「その他」と名付けられていて少し不憫な感じもしますが、「その他製品」のエース、「任天堂(7974)」が属しています。「バンナムHD(7832)」、「タカラトミー(7867)」といったおもちゃやゲームの企業もこちらに入っています。「ドリームキャスト」などでお馴染みの「セガ」も合併前には、銘柄コード7964としてこちらに入っていました。

他にも、「凸版印(7911)」や「大日印(7912)」といった印刷業界の銘柄や、ランニングシューズの「アシックス(7936)」、楽器や音響機器の「ヤマハ(7951)」、育児用品で中国にも進出している「ピジョン(7956)」といったように分類しづらい(?)銘柄群が入っています。

 

新しく上場した金融系銘柄の7100番台「小売業」と「卸売業」の入る7400番台から7600番台を最後にまとめてみます。

7100番台は銀行合併で生まれた持ち株会社などが多いのですが、それぞれの元となる銀行はわかりますでしょうか?問題は5問あります。①「めぶきFG(7167)」、②「東京TYFG(7173)」、③「九州FG(7180)」、④「コンコルディア(7186)」、⑤「西日本FH(7189)」。どうでしょうか?答えは、①常陽銀行+足利銀行、②東京都民銀行+八千代銀行、③肥後銀行+鹿児島銀行、④横浜銀行+東日本銀行、⑤西日本シティ銀行+長崎銀行、となります。これは日本株専門で仕事をしている人に聞いても全問は出来ないと思われます!加えて、「日本郵政(6178)」のところでも紹介した子会社の「かんぽ(7181)」、「ゆうちょ(7182)」という大きな銘柄がここに入っています。

7400番台から7600番台は、「無印良品」の「良品計画(7453)」、「ビッグエコー」の「第一興商(7458)」、医薬品卸などを手掛ける「メディパル(7459)」、「ドンキホーテH(7532)」、M&Aなども利用しながら外食の最大手となった「ゼンショーHD(7550)」、ドラッグストアの「スギHD(7649)」などが大きな銘柄として挙げられます。

かつて「小売業」は8000番台に入ることが多かったのですが、銘柄コードの空きはどんどん少なくなってきたことで、この7000番台にも入ってきています。繰り返しになりますが、銘柄コードの千の位や百の位を見ればある程度業種がわかるという利点は、「小売業」については例外となっています。

 

次回は8000番台です。

 

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