やすべえです。今回は「株主優待の制度」について書きます。

株主優待とは、株主に対して配当という金銭ではなく、モノやサービスを提供するというものです。自社の商品やサービスを提供するケースが多いのですが、お米やQUOカードといった自社とは関係ないものを提供する企業もあります。

株主優待の制度は日本のマーケットで流行している特殊な制度(欧米に少しだけあるようです)です。なぜ日本でのみ株主優待制度が流行しているのだろう?という疑問がずっとあり、日本の贈り物文化からはじまったものなのではと思っていましたが、この記事を書くにあたって少し調べてみました。「日経マネー」で調査した記事がありましたので、紹介します。

「元祖は鉄道会社か 知られざる株主優待のルーツ」(http://style.nikkei.com/article/DGXMZO82492670Y5A120C1000000

この記事によると、株主優待第一号は東武鉄道で、明治32年(1899年)にスタートしたもののようです。随分と長い歴史があります!また、株主優待制度を導入した社数の推移などもあり、興味深い記事です!

さて、本題の「株主優待は不公平な制度?」という問いに答えるべく、株主優待制度について書いていきます。

まずは、株主優待制度の例を挙げてみます。
「3月31日現在の100株以上保有の株主の皆様を対象に商品券を贈呈させていただきます。100株以上保有の投資家には1000円の商品券、500株以上保有の投資家には2000円の商品券、1000株以上保有の投資家には3000円の商品券を贈呈させていただきます。」
この株主優待制度の場合、1株あたりの商品券の金額を計算すると、100株保有の場合は1株あたり10円、500株保有の場合は1株あたり4円、1000株保有の場合は1株あたり3円となり、保有株数が大きくなるごとに1株あたりのの商品券の金額が減ってしまうことになります。不公平だと思いませんか?

ほぼ全ての銘柄で、保有株数が少ない投資家ほど株主優待を効率的に享受できて、株数が多い投資家ほど株主優待を相対的に享受できない仕組みになっています。保有株数が少ない個人投資家にはそれを逆手にとって投資するチャンスとなります

一方、配当は一株あたりの金額で決まっていますし、議決権(株主総会で提案された議題に対して賛成や反対をする権利)も100株ごとに1票などと決まっているので、公平です。

また、日本のユニークな株主優待制度は、日本の個人投資家には好評である一方、海外投資家には不評なものとなっています。海外投資家からは、「株主優待をやるくらいならば配当で報いて欲しい」という声や、「海外の住所の株主に対して株主優待は対象外なので不公平だ」という声があるのです。そんな声に対してか、グローバルな企業は株主優待制度をあまり取り入れていないように思います。

次回は、「どうやって株主優待銘柄を見つけるか?」「株主優待銘柄選択の注意点」を書いていきます。

最後に、前回に続いてですが、株主優待でどのようなものが貰えるのか、例をあげて終わりにします。ロック・フィールド(銘柄コード2910、RF1などのおそうざい屋さんです)の株主優待です。この銘柄は、今回説明したように保有株数ごとにもらえる商品券の額が決まっています。ちなみに、「200株以上500株未満保有の投資家には1000円分のおそうざい券、500株以上1000株未満保有の投資家には3000円分のおそうざい券、1000株以上3000株未満保有の投資家には10000円分のおそうざい券、3000株以上5000株未満保有の投資家には15000円分のおそうざい券、5000株以上保有の投資家には30000円分のおそうざい券」となっています。5年以上継続保有の投資家にはさらに上乗せでおそうざい券がもらえます。詳しくはこちら(http://www.rockfield.co.jp/ir/stock/yutai.html)をご参照ください。また、念のためですが、この画像を載せているからといって、この銘柄を勧めているわけではありませんので、ご注意ください。投資は自己責任です!

ロックフィールドの株主優待

株主優待シリーズ1 株主優待はどうすればもらえるか?
株主優待シリーズ2 株主優待は不公平な制度?(この記事です)
株主優待シリーズ3 良い株主優待の見つけ方