第4章「税金」、次の項目は「消費税」です。平成元年4月1日に導入されたのですが、その前から個別に消費税はあったのですが、わかりますか?
個別消費税として、酒税、たばこ税などがあります。そういえば、昔トランプに印紙のようなものが付いていたことを思い出しますが、平成元年の消費税導入前はトランプ類税という名の個別消費税が、麻雀や花札やトランプに課税されていました。租税法は毎年のように改正されていますが、少し歴史を紐解いてみるのも面白いですね。
この項目で重要なのは、「仕入税額控除方式」でしょうか?仕入れの段階で含まれている消費税を差し引く仕組みです。そして、「小規模事業者の納税義務の免除」も出そうな気がします。課税売上高が1000万円以下である事業者や、資本金額1000万円未満の新設法人は「免税事業者」となるとのことです。また、「簡易課税制度」という課税売上高が5000万円以下である中小事業者の簡便な納税制度(40から90パーセントもみなし仕入れ率)も大事そうです。
次の項目で副読本「租税法入門」の箇所は最後ですが、「個人および法人の国際税務」です。「領域主義課税方式」という自国内で生じた所得や財産のみに着目する方式(香港やシンガポールが採用している)と、「全世界所得課税方式」という日本やアメリカなどで採用されている全世界所得に課税する方式の2つがあり、国際的な二重課税の問題の解決方法などが議論されます。
国際的な二重課税の問題が起こる中で、「租税条約」なるものが締結され、二重課税の排除、租税回避や脱税の防止、問題発生時の処理などに役立ってきました。OECDモデル租税条約、国連モデル条約といった租税条約のひな形的なものがあるとの話が出てきます。また、課税が軽い外国に対してのタックス・ヘイブン対策税制というのもあって、所得税が20パーセント未満である国に所在する会社の所得に対してアディショナルに課税するという制度です。この税制、改正前は20パーセント以下の国に所在する会社の所得に対してでしたが、イギリスが基本税率を20パーセントに下げてしまったから、「以下」が「未満」に変わったとか。
そして、新聞でもよく騒がれる「移転価格税制」、借り入れなどを利用して税負担を人為的に減らす「過小資本税制」や「課題支払利子規制税制」なんていうことについても書かれています。国際間の問題は本当に難しそうで、ネットの普及で事業者の所在地が重要でなくなってきたり、ある程度法整備がパッチワーク的なものになってしまうのもやむを得ない感じがします。
以上で「租税法入門」の項目は終了です。PBの試験を受けると決める前までは、「租税法入門」などという税金の本を読むとは思ってもいませんでした。すべて読み込んで覚えいるわけではないですが、貴重な経験になりました。税金は複雑な世界ですが、課税の対象になるかの線引きや、対象ごとの税率がどのように決まっているかを学ぶことで、効果的な資産保有戦略につながっていきます。税制改正も毎年のようにあり、アップデートも必要になってきますが、良い提案ができるように、しっかりと理解しなければなりません!
次回から教科書に戻ります。
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