前回は日本株の20年を業種(セクター)のランキングを見ながら振り返ってきましたが、今回は米国株の20年を業種(セクター)のランキングを見ながら振り返っていきます。

米国の株式相場20年を振り返る、セクターの変遷

上の表は1997年から5年ごとに米国株の指数であるSP500の業種のランキングがどのように変遷していったかを表したものです。

特徴としては、前回見てきました日本株の20年の業種の移り変わりに比べ、かなりダイナミックに時価総額の大きい業種が変遷していることが挙げられます。

まずもって、1位の業種が10年ごとに変わっています。1997年と2002年は医薬品セクター、2007年と2012年はエネルギーセクター、2017年はソフトウェア・サービスセクターが1位になっています。医薬品セクターはバンドエイドやリステリン、ワンデーアキュビューといった薬以外のものも扱っているジョンソンアンドジョンソン(JNJ)が巨大で、ファイザー(PFE)、メルク(MRK)、アムジェン(AMGN)、アッヴィ(ABBV)といった製薬会社が入っていますが、昨今のマーケット全体の時価総額が大きく上昇する中でついていけていないというイメージです。エネルギーセクターはいわゆる「メジャー」と言われるエクソンモービル(XOM)やシェブロン(CVX)といった企業が入ります。こういった企業の株価は原油市況に左右されるので、年によって大きく動いています。ソフトウェア・サービスセクターについては次段で紹介しますが、皆様お馴染みの巨大企業が入っています。

そして、ハードウェアからソフトウェアの流れが見て取れます。1997年、2002年とテクノロジー・ハード・機器セクターが2位となっていたものの、2017年にはトップ5圏外になり、その代わりに2012年、2017年にソフトウェア・サービスセクターが2位、1位となるというダイナミックな動きが見てとれます。テクノロジー・ハード・機器セクターにはアップル(AAPL)が入っているのですが、アップルだけではセクター全体の時価総額のランキングの上位に入ることは出来ず、2017年では圏外になっています。アップル以外にはシスコシステムズ(CSCO)、ヒューレットパッカード(HPE)、ウェスタンデジタル(WDC)、モトローラ(MSI)といった少し懐かしいネームが並んでいます。ソフトウェア・サービスセクターにはGoogleの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)、フェイスブック(FB)、オラクル(ORCL)、IBM(IBM)といった企業が入っています。アルファベット、マイクロソフト、フェイスブックの3社だけの時価総額合計で1500億ドル(150兆円)を超えています!(ちなみに東証一部約2000銘柄の時価総額の合計が600兆円くらいです。)

米国株はダイナミックに変遷していますので、業種によって大きくパフォーマンスが変わってくることが想定されます。分散して保有したり、インデックス投信を保有するなど、自分に合った方法で長期保有をするのが良いのではと思っています。

注意ですが、この記事に書いているこれらの銘柄や投資商品を勧誘したり、推奨しているものではありませんのでご了承くださいませ!