プライベートバンキングテキスト下巻第5章「信託・エステートプランニング」にやってきました。この章から、第3単位の71問のうちの23問が出題されます。「信託の活用」、「成年後見制度について」、「エステートプランニング」、「富裕層へのリーガルサービス」と続きます。「エステートプランニング」という言葉は聞きなれない言葉ですが、信託銀行のホームページに行くと出てきます。こちらから様々な情報を提出すると、各行で内容は違いそうですが、家族構成や資産に関する現状把握、それに基づいたライフプランや資産承継プランを報告書の形で作ってくれるものです。

 

それでは、「信託の活用」から読み進めていきます。まずは「信託」という中に出てくる登場人物、「委託者」、「受託者」、「受益者」という三者の関係を理解することから始まります。「委託者」は私でありあなた、財産の保有者で、いわゆる信託を設定する者で、「受託者」はほとんどのケースでは信託銀行になり、「受益者」はそれぞれですが信託の利益を受ける者です。似た漢字なので読み慣れないと頭がこんがらがりますので、しっかりココで押さえましょう。

そもそも「信託銀行」って何をしているんだ?という疑問も出てきますが、上記に書いた「受託者」となる信託業務と、メガバンクや地方銀行がやっている銀行業務を両方行なっていると理解すれば良いかと思います。信託銀行のホームページには銀行のように「ためる、ふやす」、「かりる」といった銀行のホームページにもある何故か平仮名で書かれがちな預貸業務に加えて、「のこす、そなえる」といった項目に信託業務が並んでいます。

 

話を戻しまして、信託銀行が主に行なっている「受託者」という立場ですが、「受託者」が受ける信託業法の規制は沢山あります。「委託者」から財産を移転されていますので、「分別管理義務」があり、「善管注意義務」、「忠実義務」、「公平義務」というものがあり、「委託者」と「受益者」が「受託者」のやっている事がしっかりとわかるように、「信託事務処理義務」、「帳簿等作成等、報告・保存の義務」というものがあります。

 

ただでさえ覚えることの多い信託ですが、2007年9月に施行された新信託法によって新たに出来るようになったものも多く、試験を受ける私たちにとってはさらに大変になっています。「遺言代用信託」や「後継遺贈型の受益者連続信託」、「受益者の定めのない信託」などというものが紹介されています。

信託については、一般社団法人信託協会のホームページも参考になります。

 

第5章「信託・エステートプランニング」の2番目の項目は「成年後見制度」です。言葉自体は聞いた事があっても、意味は理解されていない言葉であるかもしれません。定義としては、成人した大人で判断能力が不十分な方々の権利を擁護するための制度となります。

「後見」、「保佐」、「補助」という3区分に分かれる「法定後見制度」、将来の判断能力が低下した場合の事前準備とも言える「任意後見制度」、成年後見制度を利用した際に情報が登記されますが限られた者のみが情報にアクセスできるようにしたものである「成年後見登記制度」があります。

こういった制度は必要になるまでは知る必要がほとんどないものの、必要となった時に速やかに広い範囲の知識を得ていかなければいけないものだと思います。法務省のホームページは、そういった状況をよく鑑みてわかりやすくQAの形で説明しています。
法務省へのリンクはこちらです。)

 

少子高齢化の日本において、介護保険だったり、こういった成年後見制度というものは重視されてしかるべきと思います。様々な立場の人が不利益を被らないようにしっかりと保護される仕組みを大事にできる世の中がずっと続きますように。。。

 

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