第6章「マス富裕層」までやってきました。この章からは第3単位の71問のうちの12問が出題されます。PBらしい章で、実践的内容になっています。マス富裕層というのは純金融資産が5000万円超、1億円未満という定義になっています。ちなみに1億円超、5億円未満が富裕層、5億円超が超富裕層とテキスト上ではなっています。
マス富裕層は富裕層よりもサービスの対価としての手数料はおそらく少ないのでしょうけど、ブルーオーシャン(競争が少ない)で、職業などで分けるとパターン化しやすく、パターン毎のソリューションも比較的シンプル、また将来富裕層化する可能性もあるということで、PBとしてターゲットにしていきましょうということが書かれています。
このマス富裕層は一代でここまで富を築くというケースが多いでしょうから、資産を形成する時期と資産を保全する時期に分けて考えるとシンプルです。そして、マス富裕層に限らず全ての層において参考になる提案がなされています。資産形成期における給与天引きの積立貯蓄、所得税を抑える仕組み、個人型確定拠出年金、いわゆる「iDeCo」の活用といったことは、高校生か大学生に授業で教えるべき項目とさえ思います。資産保全期は暦年贈与といったシンプルな方法が高い効果を発揮します。
そして、ライフプランのキャッシュフロー表を作る際に使うであろう、支出、インフレ率、投資利回り、余命といった変数を使っての長生きリスクの判定といったことも必要ですし、リバースモーゲージといったテクニックなどもマス富裕層に限らず、全ての層において参考になります。
というわけで、第6章は簡単にまとめてしまいましたが、一度しっかりと読んでしまえば、点数は取れそうな内容ではないでしょうか。項目としては、「マス富裕層の定義」、「マス富裕層の職業特性」、「マス富裕層の資産およびキャッシュフローの特性」、「マス富裕層のニーズへのソリューション提供」、「マス富裕層へのマーケティングアプローチ」といった並びになっています。