やすべえです。日本株の銘柄コードの話、ついに9000番台までやってきました。8000番台も窮屈に様々な業種が入っていましたが、この9000番台も「陸運業」、「倉庫運輸関連」、「海運業」、「空運業」、「情報・通信業」、「電気・ガス業」、「サービス業」と様々な7つの業種が入っています。

銘柄コードと業種の対照表(9000番台ハイライト)

「百の位」の分類は下の図のようになります。割とシンプルに分類できています。

銘柄コードと業種の対照表(9000番台)

運輸業がきれいに並びます。9000番台の「陸運業」9100番台の「海運業」9200番台の「空運業」をまとめてみていこうと思います。

「陸運業」はおおまかに分類すると、「鉄道」と「道路輸送」に分かれまして、「鉄道」はさらに「JR系」と「私鉄系」に分かれますでしょう。「JR系」は4社、「JR東日本(9020)」、「JR西日本(9021)」、「JR東海(9022)」、「JR九州(9142)」上場しています。私鉄は、大都市圏にある電鉄を中心に上場しています。首都圏ですと「東急(9005)」、「小田急(9007)」、「東武(9001)」、「京急(9006)」、「西武HD(9024)」、「京王(9008)」、「京成(9009)」といった銘柄があり、関西圏ですと、「阪急阪神(9042)」、「近鉄GHD(9041)」、「京阪HD(9045)」、「南海電(9044)」といった銘柄があり、中京圏では、「名鉄(9048)」といった具合です。

「道路輸送」は、「宅急便」ブランドの「ヤマトHD(9064)」、様々な物を陸海空問わず運ぶかつては「ペリカン便」ブランドで宅配業務を行っていた「日通(9062)」、カンガルーの「セイノーHD(9076)」などが挙げられます。

「海運業」は「陸運業」と違って、業態的にグローバルな争いが避けられません。「郵船(9101)」、「商船三井(9104)」、「川崎船(9107)」がその熾烈な争いを戦っています。物流の盛んな国でないと「海運業」は厳しいのかなと思いがちですが、コンテナ船世界最大手の「マースク」はデンマークの会社、二番手の会社「MSC」はスイスの会社です。スイス、海無いやん!(笑)

「空運業」は、「JAL(9201)」と「ANA(9202)」が挙げられます。欧米はローコストキャリア、いわゆる「LCC」が年々強力になっていますが、日本では「ANA(9202)」が自身でLCCを傘下に持ったり、出資したりして共存している(囲い込んでいる?)イメージがあります。

 

さて、9300番台の「倉庫運輸関連」に参ります。いわゆる倉庫会社ですが、底堅い業種であり、ネット通販が好調で需要は高まっていますが、運送会社が自前で倉庫を持ったり、「REIT」などを活用した物流施設の増加など、競争もあり、再び進化が問われている業種とも言えますでしょうか。「三菱倉(9301)」、「住友倉(9303)」などが挙げられます。

 

9400番台は「情報・通信業」です。「情報・通信業」はいろいろな番号に散らばっていますが、この番号帯には「テレビ局」、「通信」が入っています。「テレビ局」の銘柄は、「フジHD(4676)」、「TBSHD(9401)」、「日テレHD(9404)」、「テレ朝HD(9409)」、「テレ東HD(9413)」と地上波キー局はすべて上場しており、BSやCSを手掛ける「スカパーJ(9412)」も上場しています。地上波の絶対的な地位が脅かされ、若者を中心にインターネットを用いた放送などが広がってくる中で、どのように変化していくのかが問われています。

「通信」は、1986年10月に民営化された「NTT(9432)」、携帯電話の大手三社である「KDDI(9433)」、「NTTドコモ(9437)」、「ソフトバンクG(9984)」が巨大な時価総額を持つ企業として挙げられます。この業界は月額の通信料の収入が安定的に入ってくるので、次に紹介する「電力・ガス業」と共に非常に安定している業界として「ディフェンシブ銘柄」と呼ばれていたりしますが、これからの格安携帯電話の時代にどうなりますでしょうか。

 

9500番台は「電力・ガス業」です。2011年3月11日の東日本大震災、東京電力の福島第一原子力発電所の事故によって、大きく業績が変化しました。それまでは上段で書きましたように、非常に安定している業界として「ディフェンシブ銘柄」と呼ばれ、配当が安定して支払われていましたが、原発事故の賠償や、原発の稼働停止で電力各社の業績は非常に不安定になりました。地域ごとに電力会社があり、「東電力HD(9501)」、「中部電(9502)」、「関西電(9503)」、「中国電(9504)」、「北陸電(9505)」、「東北電(9506)」、「四国電(9507)」、「九州電(9508)」、「北海電(9509)」、「沖縄電(9511)」と銘柄コードがつけられています。

「ガス業」も地域ごとにガス会社がありまして、「東ガス(9531)」、「大ガス(9532)」、「邦ガス(9533)」となっています。電力自由化、ガス自由化がようやく始まってきましたが、こちらの「ディフェンシブ銘柄」はどうなっていきますでしょうか。

 

9600番台から9900番台までは特に定められた業種は無く、「情報・通信業」や「サービス業」、「卸売業」、「小売業」が空き番号を埋めるかのように入っています。9600番台は映画会社や映画館を持つ会社(「松竹(9601)」、「東宝(9602)」「東映(9605)」)が並んでいます。

それ以降は散在しており、大企業をピックアップしていきますと、「情報・通信業」では、NTT系のシステムインテグレータである「NTTデータ(9613)」、「SCSK(9719)」、「コナミ HD(9766)」、「ソフトバンクG(9984)」、「サービス業」では「セコム(9735)」、「卸売業」では「ミスミG(9962)」、「小売業」では「ヤマダ電(9831)」、「ニトリHD(9843)」、「ファーストリテイ(9983)」、「サンドラッグ(9989)」が挙げられます。

 

最後の9600番台から9900番台は、銘柄コード順で見てきたためしょうがないところもありますが、脈略の無い感じになってしまいました。しかし、ここまでお読みくださった皆さんは日本の業界や大きな企業を銘柄コード順におさえたことになります。冒頭にも書かせていただきましたが、高校生や大学生の皆様には将来の自分を描く助けになればと思いますし、日本株に投資される方には企業研究、業界研究を通じて、資産運用に役立つのではと思います

 

当然ながら、投資は自己責任でありまして、ここまで挙げてきました銘柄を推奨するものではありません。よろしくお願いいたします。そして、お読みいただきまして、ありがとうございました!!!

 

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