THEO WHITE PAPERやすべえです。今回は資産運用のツール、ロボアドバイザーについて書いてみたいと思います。

最近、沢村一樹さんの「ウェルスナビ」のCMが良く流れていると思いますが、この「ウェルスナビ」というのは、ロボアドバイザーによる資産運用ツールのブランド名でして、ウェルスナビの他に、お金のデザインという会社がやっている「THEO」ですとか、楽天証券がやっている「楽ラップ」などがあります。

一般的にロボアドバイザーとは、①資産運用の配分などを決定するためにいくつかの質問に答え、②お金を入金すると、③自動的に資産運用してくれて、定期的に資産配分を見直してくれたりするものです。

次回のセミナーで、資産配分について少しお話しするので、各社の資産運用ツールをホームページなどで確認していました。その時に、お金のデザイン「THEO WHITE PAPER」というものを発見し、すごく良いドキュメントだったので紹介してみようと思います。前置きが長くなってしまってすみません。

 

 

お金のデザイン「THEO WHITE PAPER」は、「THEO」における「運用概論」や「運用モデル」や「運用方針」が載っている、「白書」といいますか、「機能解説」的なものです。アカデミックな内容を含みますが、かなり学びが多いものです。

まず、運用における特徴として、「ユーザー一人一人が資産運用に何を求めているかをアルゴリズムで分析」し、「国際分散投資を実現」し、「人の予想や感情などを排除し、定量的な分析に立脚してアルゴリズムが行うクオンツ運用」を行うなどのグランドデザインがしっかりと書かれています。

分散投資については、地域の分散、資産の分散、時間の分散をしっかりと説明してくれています。補足「資産分散によるリスク低減効果に関して」には、証券数が増えることによってリスクが減少していくことが書かれていますし、捕捉「時間分散に関して」には、「肯定的な見解から否定的な見解までさまざまである」と非常にフェアな観点で書かれています。

 

【特に「ポートフォリオ管理における機能的アプローチ」がすごいです!他社には無い!】
その後には、ETFについて、スマートベータについて、再投資による複利効果について書かれているのですが、私が驚いたというか「すごいな」と思ったのは、その次に書かれている「ポートフォリオ管理における機能的アプローチ」という項目で、『THEOではユーザーの資産運用に対する目的を達成するために必要な機能として、「グロース」、「インカム」、「インフレーションヘッジ」という3つの機能に対応するポートフォリオを設定して、その組み合わせによる運用を行っている』と書いてあります。

これは、世界の有名な年金基金の運用方法にかなり近いもので、このWHITE PAPERにも書いてありますが、米国の著名なCalPERSという年金基金も似たようなポリシーを採用しています。こんな運用理論が個人ベースで利用できるというのはすごいと思います。

「運用モデル」の項には、「グロース」、「インカム」、「インフレーションヘッジ」という3つのポートフォリオに使用しているETFの一覧もあり、「運用方針」の項には、選定するETFの基準がしっかりと書いてあるので、使いやすいETFが選ばれていることがわかりますので、「ポートフォリオ管理における機能的アプローチ」をETFを使って実現していることがわかりました。

 

この「THEO」や、その他のロボアドバイザーサービスは、手数料が残高に対して1%と、ここ最近の日本における低コスト投資信託ブームの中では、「やや高い」と思われている気がしますが、資産分散を自分で完結させずに、アウトソースするコストとして考えれば、フェアな気がしてきました。資産の規模が大きくなって、固定費の割合が下がってくれば、1%というコストも下がっていくのではないでしょうか!?下がっていくと良いなぁ!

 

というわけで、「THEO WHITE PAPER」の内容がすごく良いというお話でした。後半は「THEO」の紹介みたいになりましたが、ご参考になれば幸いです!