やすべえはこれまで米国債に関して2つの投稿をしてきました。
一つ目が「米国債を買ってみました」というもの、二つ目が「米国債を買うなら(2019冬版)」というものです。
今回は3本目となりますが、米国債投資が日本で積極的に行われてこなかったのはなぜか?というお話となります。
米国債とは?
米国債とは、文字通り、米国の国債のことです。本ブログの米国債に関する第1回目の投稿では、「ゼロクーポン債(ストリップス債)」を購入したことを書きました。
ゼロクーポン債とは、発行時に額面金額より低い価格で発行され、償還時に額面金額で償還される債券です。
購入時と償還時のみ、金銭のやり取りが発生するだけのシンプルな商品で、個人投資家の運用方法としてかなり有力なものだと私は思っています。
日本で買う場合、総合証券やネット証券で買うケースがほとんどだと考えられますが、第1回目の投稿で紹介したのは、米国債はそれぞれの金融機関で値段がまちまちで、品ぞろえも良かったり悪かったりで、どの金融機関で買うべきかを見極めるのに時間がかかったといった趣旨のことでした。
記事を投稿した時は、日本の金融機関が個人投資家向けに注力したい商品じゃないからしょうがないよなぁ・・・程度に思っていました。
今回、なぜ、日本の証券会社が個人投資家向けに注力したい商品じゃないのかをはっきりと説明する書籍を見つけました。
米国債はごくごく当たり前の存在なのだけれど!
結論から言ってしまいますと、米国債というものは、金融商品のトレーダーにはごくごく当たり前の存在です。私は金融商品のトレーダーをしていましたので、「当たり前の存在」でした。
しかし、金融商品のトレーダー以外の人には、日本の証券会社が注力したい商品じゃないために、おそらくですが、あまり知られていない存在(商品)だったのです。
たしかに、金融教育家として様々な方と話をしている中で、「米国債を保有している方がほとんどいない」ことに気づいていました。
何故か?今回紹介する書籍ははっきりと説明しています。Amazonの内容紹介を抜粋すると以下のようなことが書いてあります。(◆以下の説明を省略しています)
世界中でもっとも安心、確実、ストレスフリー 米国ゼロクーポン債を知っていますか?
◆証券会社が「絶対に売りたくない商品」があった!
◆金融リテラシーの高い人ほど米国債を購入している
◆「米国債」が日本人の老後の不安を解消します
◆バックマージンをもらっていない著者だからこそ書けた!ぜひあなたも米国債のメリットについて、本書で確認してみてください。
手数料があまり取れない商品であること、機関投資家が主要な金融商品として運用していることなど、言われてみれば、「その通り!」といったことなのですが、言語化、書籍化にあっぱれです!
どうして米国債は日本の投資家に知られていないのか?→どうして新興国国債は日本の投資家に保有されているのか?
お客様のポートフォリオを見させていただくと、米国債を保有しているケースはほぼ無いのですが、新興国の国債を保有しているケースはよく見かけます。
ブラジル、メキシコ、南アフリカあたりの国債を保有しているケースが多いでしょうか。インドネシアやポーランド、タイやロシアといった国も発行ベースでは国債の残高が多いので保有があるかもしれません。
こちらは何故でしょうか?いくつか理由はあるでしょうが、新興国の国債を保有すると、入口と出口、それなりの額の替手数料が発生し、償還や利金で発生した新興国通貨の運用ニーズが新たに発生するからです。(もちろん、米ドル建てである米国債でも入口と出口の為替手数料は発生しますが、新興国通貨ほど大きくありません。)
さらに、一つの新興国の国債を持ってもらうと、他の新興国の国債も保有してもらえるからというのもあるでしょう。余談ですが、世界の国債に占める新興国の国債の割合って、このサイトあたりの情報によれば、6%くらいしかないのですが、資産のかなりの割合を新興国の国債に投資しているケース、結構あると思います。
分散投資の6つの箱+αをしっかり確認しておきたい!
「分散投資」を絶対にしなければいけないなんてことはないのですが、理解しておくに越したことは無いものです。
上記の図の箱の大きさは適当ですが、例えば株式で言えば、日本の時価総額のシェアは8%くらいしかなくて、新興国の時価総額シェアが10%くらいだとか、
債券で言えば、日本の発行総額のシェアは20%くらいで、ドル・ユーロ・ポンド以外だと6%くらいしかない、
といったことを知っておくのは大事なことだと思います。
その上で、自分が投資したいエリアはどこなのかを考えたりすると、ぐっと資産運用のレベルが上がってくるのではないでしょうか!?
最後に!
ということで、今回は米国債について、そして、新興国国債についても書きました。
2019年の投稿としてはたぶん最後になると思います。みなさま、良いお年をお迎えください!
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