やすべえです。
今週の日経ヴェリタスの一面で「逆襲のコングロマリット」という記事がありまして、「GMO」について言及がありました。
「親会社の時価総額は大幅に割安」とGMOに言及があった
次のページには、親会社時価総額と子会社合計の時価総額を比較したグラフがあり、「親会社の時価総額は大幅に割安」と書いてあって、親会社(GMOインターネット)が3000億円強、子会社合計の時価総額が1兆円超となっていて驚きました。
「まじか!こんな親子会社アービトラージのチャンスが放置されているなんて!」
ということで、調べてみました。
子会社の時価総額で計算する方法はミスリーディングでは?
ウキウキしながら、データを集めていましたら、日経ヴェリタスさんの計算は子会社の時価総額を全額計上しているものであることが分かりました。
「がっかり!そりゃそうだよね、こんな親子会社アービトラージのチャンスが放置されてるわけないよね!」
連結子会社と言えども、株式を100%保有していない限り、他の株主に利益などが流出するわけですので、子会社の時価総額を計算するときは、持ち分で計算しないと、割安割高といった関係を表現できないと考えます・・・。
計算結果は、「親会社時価総額<子会社持ち分時価総額」だったが・・・。
せっかくデータを集めたので、エクセルでポチポチやってみました。
結論から言うと、チャンスが少しは残っているとなりました。
上の図、簡単に作ったものなので見にくいですが、親会社の時価総額が3233億円とあって、子会社の時価総額の合計が1兆1479億円、子会社の親会社持ち分(間接保有含む)時価総額の合計が5075億円となりました。
ということで、親会社を時価の3233億円で買収して、子会社を時価の5075億円で売って、親会社の負債、データちゃんと取ってませんが500億円くらいを返済して、解散すれば儲かるという計算になりました。
当然ながら、この計算通りにはいきません。時価は変わりますし、買付け時のプレミアム、売却時のディスカウントなどが発生しますし、その他、資金とか、法律とか、条項とか、ハードルが盛りだくさんです。
頭の体操程度に親子会社間でアービトラージが出来るかという事を考えるときの初歩の初歩の段階です!
こういった親子アービトラージは昔からあったんです・・・
こういった親子アービトラージですが、昔から存在していました。トレーディングチャンスとして大きくクローズアップされたのが、
「ニッポン放送」株と「フジテレビ」株のお話です。
「ニッポン放送」は「フジテレビ」の大株主で、ニッポン放送の時価総額はフジテレビの持ち分時価総額よりかなり少なかったんですね。そこに、着目したのが、村上ファンドであり、ライブドアだったわけです・・・。
私はその頃トレーダーとしてマーケットと対峙していまして、他人事では無かったので、相当調査しました。ニッポン放送とフジテレビ以外にも親子での歪な時価総額の構造はあって、第二の事件が起こるのではないかと日々議論していたことを思い出します・・・。
それでは!