やすべえです。今回はiDeCo編です。「iDeCo」は、「Individual-type Defined Contribution plan」を略した愛称で、日本語では「個人型確定拠出年金」のことで、現役時代に積み立てながら運用して、老後に受給する、任意の年金制度ですが、①資金の拠出時、②資金の運用時、③資金の受給時に税制の優遇措置がとられているものです。

「NISA」は「iDeCo」と比べると比較的手軽に投資する金融機関や投資する商品を選べるイメージなのですが、「iDeCo」は逆に慎重に口座や商品を選ぶべきというイメージです。将来の老後生活の豊かさを左右しかねないものですし、各人が選択したり、決定しなければいけない事が多いからです。その理由を書いていきます。

【なぜなら1】掛け金の額を自分で決めないといけません。

掛け金には上限があり、国民年金の第1号被保険者の方は月に6万8000円上限、年額81万6000円まで掛けることができます。第2号被保険者の方は月に2万3000円上限、年額27万6000円まで掛けることができます。(他の年金に入っていたり、条件によって上限より掛けられないケースもあります)

資金の拠出時、運用時、受給時に税制の優遇があるので出来るだけ沢山掛けたい所です。年収500万円の社会人が年額27万6000円掛けていますと、税率をざっくり30パーセントとして年額8万2800円を節税できる事になり、35年で290万円近く節税できる事になります。

注意点としては、60歳まで引き出せない(加入10年以上の場合)ということがあります。掛け金は変更することが可能ですが、最低月5000円以上、1000円単位となっています。

【なぜなら2】投資する商品を自分で選ばないといけません。

投資する商品にこれだという正解がないのが難しいところです。家族構成、収入と支出、今保有している金融資産、ローンなどで方向性は決める事ができますが、短期的な下落に対して精神的に耐えれるかどうかといった要因もあります。

また、法令で定められているからですが、金融機関は商品の特色を説明はしてくれますが、特定の商品を推奨してくれません。最近は10問程度の質問に答えるだけで資産配分を助言してくれる「ロボアドバイザー」がありますが、まだまだ黎明期です。

投資する商品によって「信託報酬」という投資信託の残高にかかる手数料がありますが、こちらも商品を選ぶ際に大事になってきます。これは商品ごとに大きく違っていて、金融機関によって信託報酬の安い商品を揃えているところもあれば、そうでないところもあります。同じような商品でも信託報酬が0.5パーセントくらい違うケースもあります。平均の残高が1000万円とすると、0.5パーセントの信託報酬の違いで35年で175万円余計に払う事になります。

【なぜなら3】運用を管理してもらう金融機関を自分で選ばないといけません。

iDeCoを扱っている金融機関は157機関となっています。(国民年金基金連合会のホームページより)
意外にも、参入していない有名な大手がいくつかある事に気付きます。そして、金融機関ごとにホームページの内容がかなり違う事にも気付きます。銀行は自行で整備しているところもあれば、他金融機関へリンクしているだけのところもあります。信用金庫は統一のコールセンター、統一のホームページになっています。横並びとよく言われる日本の金融界ですが、iDeCoに関しては積極的な所とそうでない所が分かれています。

そして、中身を調べていくと、手数料も大きく違うし、取り扱っている商品も大きく違っています。iDeCoナビというホームページで各金融機関の比較ができますが、毎月掛かってくる「運用期間中かかる費用」を見てみると、毎月167円の金融機関もあれば、毎月617円の金融機関もあります。35年運用すると考えると、毎月167円の金融機関だと35年で7万円くらい、毎月617円の金融機関だと35年で26万円弱となります。

まず、節税のメリットを最大限享受するために、掛け金の上限がいくらかをチェックし、家計の収支などをかんがみた上でいくらまで掛ける事が出来るかを考えてみてはいかがでしょうか?。また、安さだけを求めてもしょうがないですが、各商品の「信託報酬」と「金融機関に支払う運用期間中にかかる費用」が比べるべき大きなポイントだと言えましょう!