やすべえです。2017年、確定拠出年金に関する法改正がありました。その法改正がかなり大規模なものであることから、いろいろな解説本が出ています。読んでみてわかりやすかった3冊を発行日順にご紹介していきいます。
金融コラムニストの大江英樹さんが書かれた本です。
今回の法改正で、老後の資産形成の手段として存在している「個人型」確定拠出年金の利用できる範囲が広くなりました。今まで加入することが出来なかった公務員の方や専業主婦の方など、ほぼ誰もが加入できるようになりました。「個人型」確定拠出年金は、積み立てる掛金の全額が所得控除になったり、運用益にも税金がかからなかったりと、普通の投資や運用と比べて有利になっている点があります。
ただ、運用の成績に関わらず給付金が確定している、従来からある「確定『給付』年金」ではなく、拠出金が確定しているだけで、運用の成績によって年金の金額が変わってくる「確定『拠出』年金」ですので、どのように運用をするのかを個人個人が決めないといけません。決めるにあたっての注意点を、16ページほどのIntroductionの後に、「始めるとき」、「年金を運用するとき」、「年金をもらうとき」に分けて、わかりやすく説明しています。
大江さんは、一見難しいことを優しくかみ砕いて話してくださる、聞き手にやさしく話上手な方ですが、この本は、そんな大江さんの講演を聞いているような感覚で読むことが出来ます!
ファイナンシャルジャーナリストの竹川美奈子さんが書かれた本です。
とにかく、「やさしく、くわしく」をモットーに書かれています。まだまだ年金までは遠い道のりの20代、30代の方にとって、「年金」と言われても、「払うと損とか言いますよね」、「あんまり期待できないものでしょ?」といったネガティブな意見を多く聞きます。そして、「まだ考えていない」、「よくわからないです」といった思考放棄型の意見もよく聞かれます。しかし、そんな20代、30代の方にこそ、まずはこの本を読んで、誤解を解いていただきたいですし、老後のお金のこと(資金繰り?金策?)についても考えていただきたいなと思います。
竹川さんは最初に、「老後を支えるお金は主に3つ」で、「
次いで、「税制のメリット」、「金融機関の選び方」、「運用など活用方法」、「受け取り方」といった順で説明しています。図が多く、読み手=学び手の気持ちを考えて書いてくださっています。
運用に関しては、別の本ですが、竹川さんの書いた『一番やさしい!
日本経済新聞社の編集委員兼紙面解説委員の田村正之さんが書かれた本です。
田村さんは、M&I(マネー&インベストメント)欄に記事を良く書いていらっしゃるので日経新聞を読んでいる方は知っているかもしれません。平板な感じがするものの、きっちりと安定した流れで学びたい方はこちらの本がおすすめかもしれません。また、文庫ですので3冊の中で一番安いです!また、「はじめに」を読むと一通りのことがわかってしまいます。もう、驚異の要約力を感じざるを得ません。私ももっと文章を書いて、このような要約が出来るようになりたいと思います!話が逸れました。(笑)
本文は、「確定拠出年金が優位な点」、「全体像」、「金融機関選び」、「運用」、「受給方法」というように竹川さんの本に近い流れです。その中で、この本は特に、確定拠出年金のデータだけでなく、シミュレーションの結果や、金融市場に関するデータ、税金のデータなどが豊富です。加えて、「企業型確定拠出年金の活用法」がありますので、企業にお勤めの方も参考になります。結びに「今後の課題」として、田村さんが考える、確定拠出年金の課題、投資教育、日本の資本市場への問題提起なども書かれています。
さて、皆さんはどの本を手に取りますか!?1冊でも手に取って読んでいただければ、iDeCoの世界に安心して足を踏み入れることが出来るのではないでしょうか?
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