金融庁から「高齢社会における資産形成・管理」という報告書が出まして、その後、「老後2000万円」という言葉がテレビやインターネットなどマスコミを駆け巡りました。語弊があったり、誤っていることが独り歩きしていたように思います。少し日が経ちましたが、思うことを箇条書きで書いていこうと思います。
<報告書の流れは、「データ・事実」→「確からしい答え・考察」→「行動のアイディア」>
まず、この報告書の題名ですが、「高齢社会における資産形成・管理」です。修飾している語句を取ってしまいますと、「資産形成・管理」となります。この報告書は、「資産形成・管理」に関するペーパーということになります。
報告書は、「はじめに」からスタートし、1章が「現状整理(高齢社会を取り巻く環境変化)」、2章が「基本的な視点及び考え方」、3章が「考えられる対応」、4章が「おわりに」となっています。
今回は「はじめに」に書かれていることを一つずつ理解していきましょう。
<「はじめに」に書かれていること>
「はじめに」の冒頭には、「近年、金融を巡る環境が大きく変化」しているとして、「デジタライゼーションの急速な進展」によって、「利便性の高いサービスを提供」する動きが出てきていることが書かれています。たしかに、ロボアドバイザー、ブロックチェーン技術を使った仮想通貨、QRコードを使った決済サービスなど、ここ数年で色々なサービスが出てきました。
次に、「金融を巡る特に大きな背景の変化」として、「人口減少・高齢化の進展」が挙げられ、金融サービス以外でも、「高齢者雇用の延長」、「年金・医療・介護の制度改革」、「認知症対策」、「空き家対策」」など多くの政策が議論されているとあり、金融サービスでもいろいろと考えていかないといけませんねという話になります。
最後には、こう書かれています。
今後とも、金融サービス提供者や高齢化に対応する企業、行政機関等の幅広い主体が、今回の一連の作業を出発点として国民に本報告書の問題意識を訴え続け、国民間での議論を喚起することにより、中長期的に本テーマにかかる国民の認識がさらに深まっていくことを期待する。
つまり、この報告書は、国民間での議論を喚起することや、中長期的に本テーマにかかる国民の認識がさらに深まることが目的になっているのです。
そういった意味合いにおいては、今のところ、国民間での議論を喚起することには成功しているのかもしれません。しかし、中長期的に本テーマにかかる国民の認識がさらに深まっているとは言い切れず、むしろ、語弊があったり、誤っていることが独り歩きしている状態と思います。
<最後に>
少しずつ書いていきますが、この一連の投稿が少しでも、読者の方の認識が深まることに貢献出来たらと思っています。
なお、原文を読みたい方は、こちらのリンク(令和元年5月22日バージョン)か、こちらのリンク(令和元年6月3日バージョン)をクリックしていただければと思います。
2次情報(所謂、私の投稿のようなもの)よりも1次情報(所謂、金融庁のような出所のもの)の方が正確性があります。
次回に続きますが、更新するたびに、こちらに目次のような使い方ができるように、リンクを足していこうと思います!
「老後2000万円」の報告書に書かれていることを一つずつ理解するシリーズ② ~人口動態など~
「現状整理(高齢社会を取り巻く環境変化)」編 その1
「老後2000万円」の報告書に書かれていることを一つずつ理解するシリーズ③ ~マクロ経済スライドなど~
「現状整理(高齢社会を取り巻く環境変化)」編 その2
「老後2000万円」の報告書に書かれていることを一つずつ理解するシリーズ④
「現状整理(高齢社会を取り巻く環境変化)」編 その3
「老後2000万円」の報告書に書かれていることを一つずつ理解するシリーズ⑤ ~今回まで現状整理です~
「現状整理(高齢社会を取り巻く環境変化)」編 その4
「老後2000万円」の報告書に書かれていることを一つずつ理解するシリーズ⑥ ~当事者が認識しておくべきこと~
「基本的な視点及び考え方」編
「老後2000万円」の報告書に書かれていることを一つずつ理解するシリーズ⑦
「考えられる対応」編 その1
「老後2000万円」の報告書に書かれていることを一つずつ理解するシリーズ⑧ ~最終回!~
「考えられる対応」編 その2
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