やすべえです。
10月から大学院に通っておりますが、半期が過ぎました。さまざまな科目でさまざまな学びがあったのですが、大きな学びの一つとして、「やすべえはどうして金融教育をやっているのか?」ということを学友から教えていただいたことがありました。
今回はその話を書いていこうと思います。
ビジネスプラン(事業計画)を書く機会にて
ある科目でビジネスプラン(事業計画)を書いてみる機会がありました。
ビジネスプランを書くにあたり、今行っている金融教育に関するプランを書きました。どのような顧客に、どのような商品・サービスを提供するのか、マーケティングの4つのP(Product、Price、Place、Promotion)ですとか、どのへんに新規性や独自性があるのかですとか、市場は伸びていくのか、競合はいるのかといった環境についてですとか書きました。あとは、お金の面ですよね、資金調達をして、事業開始後3年で黒字化して、5年後に上場とかそういった夢物語を書いたりもしました。
そこで書いた内容はさておき、そのビジネスプランの発表自体は、しっかりと準備したつもりだったのですが、全然ダメだったんです。いつも「やすべえ」とか「やすべえ先生」と呼んでいただいて、人様の前でお話をさせて頂いているのに、「ああ、何ということだ!」と悔しく思っていました。
「うさんくさい・・・」
全然ダメだった証左なんですが、聞いていただいた方に「うさんくさい」と言われてしまったんですね。
「金融教育・・・。あぁ、そう・・・。世の中にまたうさんくさい金融教育が増えるのかと思って聞いていました・・・。」
限られた時間でビジネスプランを説明する中で、要点要点を説明していこうと、準備して、プレゼンテーションしたのですが、その切り取り方が悪くて、伝え方も悪かったので、当然のフィードバックなのであります。
その場に立ち尽くしながら、考えていました。金融に関するイメージは、まだまだネガティブなもので、平板にプレゼンテーションしてしまっては、そのネガティブさが抜けないですし、「私たちは違うんです!」と言ってみても、やはりネガティブさはなかなか抜けない。「出直そう」「考え直そう」と考えていました。
その時、学友がふと手を挙げました。
「アツい想い入れるべき・・・」
その学友は、すごい沢山の知識を持っていて、セオリーを重視するタイプだと、私は思っていたのですが、そんな彼が、手を挙げて、語ってくれたんです。
「やすべえさんは、今の日本の金融教育に対しての、不満とか、怒りとか、嘆きとか、そういうものがあったからこそ、今、金融教育の事業を旗揚げしてやってるんですよね?そういったアツい想いを入れましょうよ!」
プレゼンテーションの出来の悪さのせいですぐに咀嚼できなかったのですが、すごく良いアドバイスを頂けたなと、じわじわと脳に染み込んでいきました。(数日、その言葉を思い出しながら感動していました。)そして、アツい想いをどう入れるべきだったかを復習しながら、自分の力不足を痛感してもいました。
私に足りないものは、言語化の能力や表現力、そして、10個伝えたいことがあって、3個分しか伝える時間しかない場合、何を伝えるべきなのかを判断できる選択力、、、他にもたくさんあります。(悲しい!)
そして、私が持っていると自信を持って言えるのは、アツい想いくらいだったわけです、、、。(こちらも悲しい!)
そのアツい想いをプレゼンテーションに全く盛り込めていなかったわけです!!!(またまた悲しい!)
「やすべえはどうして金融教育をやっているのか?」
今回の大学院の授業は、この「どうして?」を考える非常に良い機会になりました。まだ、うまくまとめ切れていないのですが、今の想いを書いてみます。
日本では、金融教育が効果的に出来ていないと言えます。金融広報中央委員会の金融リテラシー調査によれば、金融教育を行うべきと思っている人のうち、実際に金融教育を受けたことがある人は8.3%という低い割合となっています。また、各国で同じ問題を行った結果では、アメリカや、ドイツ・イギリスと比べて、正答率が低かったり、望ましい行動をとる人が少ないという結果が出ています。少しの知識を持つだけでも、お金に対する不安を取り除いたり、資産運用などでより良い判断が出来るようになるはずです。
今の時代は、良くも悪くも、実物経済とマネー経済の両輪で動いていて、労働所得と金融所得は所得の両輪となってきています。そんな中で、日本の個人金融資産の約半分は現預金で寝かせられています。金融庁の金融レポートによれば、1995年から2016年までの20年の家計金融資産の日米比較が出ていますが、日本の増加率は1.54倍、アメリカの増加率は3.32倍と、大きな差がついています。このままではさらに差がつき、他国に追い越されていきます。
日本がこれからも豊かな国であってほしいと思います。
当然ながら私一人ではどこまで出来るのか分かりませんし、あまりにも微力なので、仲間と共に成し遂げたい、そんな思いで金融教育をやっています。今回の授業を通じて、自分に足りないことを色々と認識することが出来ましたので、補えるところを補って、持っているパッションは維持増強しつつ、金融教育をやっていきたく思います。
そして、周りの人のハピネスと言えばよいでしょうか、お金に対する不安の少ない、平和な暮らしへのひとつの力になっていきたい、そんなことを思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました!最後に完全なる余談ですが、授業で全然ダメなプレゼンテーションをしてしまったわけですが、単位を頂戴することは出来ました。努力は認めていただいたようです。(笑)
次回の「大学院の話」は、履修から単位取得まで、大学・大学院のざっくりとしたスケジュールについて、書いてみようと思います!
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