やすべえです。日本株の銘柄コードの話、4000番台までやってきました。下の「千の位」で分類した図を見てみますと、「化学」、「医薬品」、「サービス業」となっています。

銘柄コードと業種の対照表(4000番台ハイライト)

私は大学時代、化学を専攻していましたので大変馴染みのある業種です。ベンゼン環、亀の甲とも言いますね、いわゆる六角形のマークですが、そのベンゼン環の神秘を学んだりしておりましたが、就職活動中にいろいろな業種について学び、株式が資本主義の中で果たす役割の素晴らしさ、等々、ここで書き始めるときりがありませんが、証券の世界に身を置きたいと思い、文系就職を決意、証券会社で働くことになりました。

 

「百の位」で分類した図は下のようになります。「化学」の銘柄はそこそこ大きい銘柄(時価総額500億円以上)で80以上の銘柄があり、「食料品」の時のように細かく分類をしてみようと思いましたが、業界の変遷に伴って多角化が進んでいたり、「百の位」では今一つ分類できないところが多く、4600番台に「インキ・塗料など」、4900番台に「化粧品・トイレタリーなど」とだけ分類しました。細かく分類できるならば、化学コンビナートを経営するような「総合化学」、高付加価値製品など少ない品目に注力するような「特化型化学」などの分類方法がありそうです。

銘柄コードと業種の対照表(4000番台)

「総合化学」から見てみようと思います。化学コンビナートという臨海部にある大規模なプラント群を経営しているような大企業で、「旭化成(3407)」、「昭電工(4004)」、「住友化(4005)」、「東ソー(4042)」、「三井化学(4183)」、「三菱ケミHD(4188)」、「宇部興(4208)」あたりが挙げられます。基礎的な化学製品から、高機能なものまで手広く手掛けています。いくつかの企業はコングロマリットと化していて、合併などを通じ、大きな医薬品部門を持つ企業や農薬部門を持つ企業などがあります。規模のメリットなどが重要となる中で、こういったM&Aが活発に行われてきたと言えますでしょうか。

 

次に、「特化型化学」ですが、「信越化(4063)」という大企業があります。時価総額は4兆円を超えますが、「塩ビ」と略される「ポリ塩化ビニル樹脂」という化学式で書くとCH2=CHClを基に作るわりと単純な化学物質で世界トップの企業です。その「塩ビ」はパイプや建築材料など、様々な用途で大量に使われています。

他に大企業をいくつか挙げてみますと、工業用に使う産業ガスの企業である、「エア・ウォーター(4088)」、「大陽日酸(4091)」、農薬に強みを持つ「日産化(4021)」、住宅や高機能プラスティックに強みを持つ「積水化(4204)」、電池関連の製品で大きなプレゼンスを持っている「日立化成(4217)」などが挙げられます。「特化型化学」は、日本が世界に誇れる強い分野と言えるのではないでしょうか。

 

「化学」の業種を先にやってしまいますと、次に4600番台の「インキ・塗料」は「日ペイントH(4612)」、「関西ペ(4613)」が世界のトップ10あたりの企業です。「日本」とか「関西」と企業名に入っていますが、海外売上高比率が半分以上のバリバリのグローバルカンパニーです。

 

「化学」、最後の分類が4900番台の「化粧品・トイレタリー」ですが、「花王(4452)、「資生堂(4911)、「ライオン(4912)」、「コーセー(4922)」、「ポーラオルHD(4927)」、「ノエビアHD(4928)」、「小林製薬(4967)」といった企業が挙げられます。最近はインバウンド需要で人気が出た銘柄もあります。製品の価格帯や、海外進出の戦略、M&Aの活用など、企業のかじ取りで業績が大きく変わってくる業界であるというイメージを持っています。

ドラッグストアで市場調査してみると、上記の企業の他にも外資系企業がかなり参入していることがわかります。P&G、ユニリーバといった企業は外資系企業ですが、グローバルに幅広く展開しているせいか、売上は桁違いに多いです。外資系の超大企業と国内の大企業の戦いが続いています

 

では、戻りまして4500番台の「医薬品」を見ていきましょう。実は「医薬品」も「化粧品・トイレタリー」に似ているような、外資系の超大企業と国内の大企業の戦いが続いています。時価総額5000億円以上の企業を探していくと14社ありました。「武田(4502)、「アステラス薬(4503)」、「大日住薬(4506)」、「塩野義(4507)」、「田辺三菱(4508)」、「日本新薬(4516)」、「中外薬(4519)」、「エーザイ(4523)」、「小野薬(4528)」、「久光薬(4530)」、「参天薬(4536)」、「第一三共(4568)」、「大塚HD(4578)」、「大正薬HD(4581)」となりますが、いくつ分かりましたでしょうか?

それぞれの企業において、得意な分野などが違っていたりしますが、基本的な仕組みは既存薬の売り上げで得たキャッシュを研究開発に使って新薬を開発していくという流れになっていて、新薬の開発の成否ですとか、既存薬の適応症の範囲が広がるといったニュースで株価が大きく動く特徴があります。

 

全10回の予定の「日本株の銘柄コードの話」ですが、今回で5回目が終了と折り返し地点まで来ることが出来ました。読み進めていただいている皆様、ありがとうございます。次回は5000番台に進みます。

 

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